東京 新富町にある『築地フレンチ Maison Michel(メゾン ミシェル)』にお邪魔しました。
オススメ度:A
食べログ評価:3.45 ※訪問時点
訪問日:2022年1月 昼
お店の情報
豊洲で仕入れる新鮮な魚介(以前は築地で)と,本格ジビエをいただけるビストロです.
オーナーシェフはフランスでの修行経験もある小山 道順さんです.
【ホームページ】

【Instagram】
外観・内観
お店の名前は”築地”となっていますが,築地からは少し離れた場所にあります.
住所としては”入船”で,新富町駅 7番出口から徒歩2分ほどの場所です.
2階にあるお店へ続く階段は,「新大橋通り」沿いではなくビルの側面にあります.



店内にはカウンター数席と,4人テーブルが1個,2人テーブルが3個ありました.
“メゾン”はフランス語で”家”を指す言葉だそうで,“フランス田舎風のあたたかい,落ち着いた雰囲気”がお店のコンセプトだそうです.
メニュー


※HPより引用
ディナーではコース以外に,a la Carte(アラカルト)もあります.
店先の看板に当日のプリフィックスコースの内容が書かれています。

ドリンクメニュー

レビュー
この日は日曜でしたが,当日の電話で空きがあり予約できました.
電話の際にコースの種類を尋ねられましたが,具体的な料理の内容を聞いてから決めたい旨を伝えると,現地でも大丈夫とのことでした.
お店に到着しコースの内容を確認し,「プリフィクスコース」(税別3500円)でお願いしました.


Amuse Bouche

牡蠣のエスカベッシュ,しらすとキノコのケークサレ,魚介のスープ,の3つです.
“エスカベッシュ”は,オイルやビネガーを合わせた漬け汁に漬け込んで作る”西洋の南蛮漬け”です.
今回の牡蠣のエスカベッシュは酸味は控えめでした.
“ケークサレ”は塩味の効いた甘くないケーキのことで,しらすの塩気が効いて美味しいです.
魚介のスープは,魚や貝の旨味がたっぷり溶け出しています.
パン

ライ麦パンっぽい少しパサっとしたパンで,麦の香りを感じることができます.
Entree「いなだのカルパッチョ ヴィネグレットソース」

“いなだ”は,”ぶり”の幼魚の呼び名です.
新鮮で程良く脂が乗っており,少し酸味のあるサッパリしたヴィネグレットソースとも相性が良く,美味しいです.
肉厚にカットされており枚数も沢山載っているので,巷によくある薄い切り身の物足りないカルパッチョとは全く別物です.
Entree「帆立貝と木の子の香草バター オーブン焼き」

プリッとした食感の帆立がバターの良い香りを纏っており,食欲を刺激します.
Entree「鴨の燻製サラダ 彩り野菜ピクルス添え」

メニューにある「和牛のローストビーフサラダ 彩り野菜ピクルス添え」が売り切れており,和牛ローストビーフが鴨の燻製へ変更になっていました.
鴨の燻製は,程良く肉厚にカットされています.
しっかり脂が乗っており,その脂を噛めば噛むほど鴨の旨味が染み出してきます.
ただ,鴨肉特有のクセは控えめで,食べ易いです.
Specialite「ズワイ蟹のロワイヤル ビスクソース」

スープの上にトリュフのスライスが載っており,蟹の香りとトリュフの香りが合わさって,蓋の開けた瞬間にとても良い香りがします.
ズワイ蟹の旨味が濃縮されたスープで,中には蟹の身もたっぷり入っています.
Main “豊洲直送 本日の鮮魚料理”「太刀魚のポワレ タップナードソース」

皮はパリッと焼かれ,身はほろりと崩れるほど柔らかいです.
太刀魚の旨味がしっかりしているのでそのままでも美味しく,タップナードソースを付けても美味しいです.
Main「えぞ鹿のロースト」(+500円)

完全に赤身ですが,しっとり柔らかいです.
鹿のジビエ感は全くありません.
Main「仏産 ホロホロ鶏のロースト」

パサパサしている訳ではないのですが少し硬めで,脂が少くあっさりしていました(胸肉なのかな?)
ちなみに、付け合わせの野菜は3皿とも同じでした。
Dessert「バニラのブランマンジェ」

“ブランマンジェ(blanc manger)”はフランス語で”白い食べ物”を意味するデザートで,アーモンドミルクもしくはアーモンドの香りを移した牛乳に,生クリームやゼラチンを加えて冷やし固めたものです.
生クリームを使っているからか,意外と重ためでした.
Dessert「洋梨のコンポート」

洋梨のコンポートの上にバニラアイスが載っています.
Dessert「温かい栗のクラフティ」

“クラフティ”は,タルト生地に卵や生クリームで作るアパレイユを流し込み,旬のフルーツを入れて焼き上げるフランス菓子です.
本場ではさくらんぼが使われることが多いそうですが,今回は栗のクラフティです.
意外にも甘さは控えめで,栗の甘さを味わえます.
上にはバニラアイスが載っており,温かいクラフティで良い感じにアイスが溶けて,一緒に食べても美味しいです.
カフェと茶菓子もついています.

ドリンクはワインペアリング4杯(3300円)でお願いしました.
ペアリングの内容はシャンパン・白・白 or 赤・赤です.
ワインボトルは店内のCave風ワインセラーに多くの種類が揃えられており,フランスワインを中心に約100種類あるそうです.
価格帯はざっと見たところでは.3800円から55000円まで様々でした.
1杯目のシャンパンは,「Charles Vercy(シャルル.ベルシ) Cuvee de Reserve(キュヴェ・ド・レゼルヴ) Brut」です.

2杯目の白は,3種類持ってきてくださいました.


左は「2020 G by Yurigusa Blanc Graves」です.
百合草(ゆりぐさ) 梨沙さんは,フランス人の夫と2人でシャトーを立ち上げられた日本人初の女性ボルドーワイン醸造家です.
トップキュヴェとして「Chateam GINKO(シャトージンコ)」を2016年にリリースされ,バリューワインとして「G by Yurigusa Rouge」と「G by Yurigusa Blanc」があります.
「G by Yurigusa Blanc Graves」は,ボルドー白ワインの銘醸地であるグラーヴ(Graves)にあるワイナリーと提携し,平均樹齢25年のブドウの木から採取されたブドウを用いて,2年使用のフレンチオークで9カ月間熟成し,年間約1万本のみ生産されます.
用いられている品種は,ソーヴィニヨン・ブラン 60%とセミヨン 40%です.
フルーティで甘い香りを感じますが酸味はなく,しっかりしていました.
3種類の中ではこれが一番好みでした.
真ん中は「2018 Anthony Barton(アントニー・バルトン) Bordeaux Blanc」です.
ボルドー(Bordeaux)のソーヴィニヨン・ブラン(Sauvignon Blanc)100%で造られたワインです.
少し酸味はありますが,スッキリ飲み易かったです.
右は「2020 Paul Jaboulet Aine(ポール・ジャブレ・エネ) Viognier(ヴィオニエ)」です.
ヴィオニエ100%で造られたワインです.
辛口で,少しクセがありました.
3杯目も白でした.

「2019 Domaine Montrose(ドメーヌ・モンローズ) Chardonnay」です.
ドメーヌ・モンローズ(Domaine Montrose)は,南フランスのラングドック地方,ペズナスと地中海から数キロメートルのところに位置するワイナリーです.
フレッシュで,少し鉄感がありました.
4杯目の赤は,2種類持ってきてくださいました.

左は「2013 Camus Pere & Fils(カミュ・ペール・エ・フィス) Gevrey-Chambertin」です.

ブルゴーニュ地方 ジュヴレ・シャンベルタン村で造られた,ピノ・ノワール(Pinot Noir)100%の赤ワインです.
タンニンも渋みもほぼないですが,決して薄い訳ではなく,少し酸味がありつつもほのかにフルーティに感じました.
個人的にはこちらが好きでした.
右は「2018 Domaine de la Chique(ドメーヌ・デ・ラ・チーク) Cotes du Roussillon(コート・デュ・ルーション)」です.

品種はグルナッシュ(Grenache) 40%,カリニャン(Carignan) 30%,シラー(Syrah) 30%です.
タンニンをしっかり感じました.
ランチはサービス料がかからないので,お会計は税込8000円弱(メインの+500円込み)でした.
全体として,料理はどれも美味しく,ペアリングのワインも美味しく,この値段でこのクオリティはとてもオススメです.
またランチは勿論,ディナーでも伺ってみたいと思えるお店でした.
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