東京 日比谷にある『Restaurant TOYO Tokyo』にお邪魔しました。
オススメ度:A
訪問日:2022年1月 昼
お店の情報
『Restaurant TOYO Tokyo』は,『Restaurant TOYO』の日本進出店です.
『Restaurant TOYO』は,中山 豊光オーナーシェフが2009年にフランス パリでオープンしたお店です.
中山 豊光オーナーシェフは,有名アパレルブランド『KENZO』のデザイナーである髙田 賢三さんの専属料理人を務められていた方です.
『Restaurant TOYO Tokyo』のシェフはオープン以来,大森 雄哉さんが務められていましたが,2022年1月いっぱいで独立されるそうです.
2022年2月以降は,大森 雄哉シェフと同じくパリ本店から異動し東京店のオープンから腕を振るわれてきた丸山 和孝さん,パティシエの大澤 康二さん,を中心に営業されるそうです.
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外観・内観
ミッドタウン日比谷の3階にお店があります.
入口には,髙田 賢三さんが描かれた中山 豊光オーナーシェフの肖像画が飾られています.

店内にはカウンター8席,4人用テーブル1つ,2人用テーブル1つ,個室1つがあります.
店内は明るく,天井も広くて開放感があります.
メニュー
店先の看板

メニュー例

※HPより引用
ドリンクメニュー




レビュー
この日は税別5000円のコースでお願いしていました.
コース内容は,アミューズブシェ・前菜2品・魚料理・肉料理・デザート/カフェ,です.
ドリンクはペアリングでお願いしました.
メニューには「3 glass 税別4500円〜」「5 glass 税別6500円〜」「7 glass 税別8500円〜」と記載されており,コースの皿数に合わせた杯数をいただけます.
この日は『一休』から予約しており乾杯のグラスシャンパンがセットになっていたので,アミューズブシェ以外の4皿(前菜〜肉料理)に合わせたペアリングで4杯をいただくことにしました.
乾杯のシャンパンは「Billecart-Salmon(ビルカール・サルモン) Brut Reserve(ブリュット・レゼルヴ)」

“Billecart-Salmon(ビルカール・サルモン)”は家族経営で高品質・少量生産を貫くシャンパーニュ・メゾンで,様々な賞を獲得し,多くの高級レストランでオンリストされています.
甘さ・辛さ共にそこまで強くない飲み易いものでした.
アミューズブシェ

季節の野菜・果物にミモレットチーズがかかっています.
季節の野菜・果物は,芽キャベツ,カリフラワー,レンコンの素揚げ,金柑,リンゴ,ラフランス,などでした.
甘い果物も意外にもミモレットチーズが合います.
一番お気に入りは芽キャベツでした.
パンとお洒落なバター


前菜①

フォアグラのカツサンドです.
噛むと中からフォアグラの脂がジュワッと溢れてきます.
外側の衣は薄くサクッと,中のフォアグラは熱が入ってトロッとしています.
1〜2口サイズなのですが,美味し過ぎてもっと大きいサイズで(欲を言えばハンバーガーぐらいのサイズで笑)食べたかったです.
ペアリング1杯目は「Paraschos(パラスコス) NOT 2018」

スロヴェニアとの国境にほど近いイタリア サン・フロリアーノ村に位置するワイナリーのロゼです.
ロゼにしてはしっかりめですが,スッキリ飲み易いです.
前菜②

北海道 余市産 白子です.
平たく焼かれたチーズが載っており,ホワイトバルサミコのソースがかかっています.
横にはチコリが添えられています.
白子はすごい濃厚な訳ではないですが程良く濃厚で,ホワイトバルサミコの酸味のあるソースと意外にも合います.
白子×焼きチーズの組み合わせは初めていただきましたが,こちらも良い組み合わせでした.
ペアリング2杯目は「Azul y Garanza(アスル・イ・ガランサ) Naturaleza Salvaje 2019」

スペイン ナバラ州で作られた「Garnacha(ガルナッチャ)」を使った赤ワインです.
“ガルナッチャ”はスペインでの呼び名で,フランスやニューワールド諸国では”グルナッシュ”,イタリア サルデーニャ島では”カンノナウ”と呼ばれています.
今回のガルナッチャのような黒い皮のもの以外にも,白い皮(グルナッシュ・ブラン)やピンク色の皮(グルナッシュ・グリ)のものも存在するため,様々なワインが作られています.
まろやかな果実味とまったりとした酸味が”やわらかい”という印象を与える品種で,このワインも果実味も酸味も程良く飲み易いものでした.
白子は魚介系ということで白ワインを合わせることが多いですが,今回は赤ワインでした.
ソムリエさん曰く,白子は白・赤どちらを合わせるのが良いか難しいそうです.
今回の前菜②は焼きチーズが載っていたこともあり,赤との相性が良かったです.
魚料理

この日の魚料理はパイ包とのことで,焼き上がったパイを見せに来てくださいました.
良い香りが漂っており,見るからにサクサクなパイにテンションが上がります.
中身は開けるまでのお楽しみとのことでした.

帆立とトラフグのパイ包で,パイの内側にはホウレン草が巻かれています.
しっとり柔らかく,淡白ながらも強いトラフグの旨味と,肉厚な帆立の旨味・食感が,パイによって一体になっていただけます.
バターのソースが添えられています.
付け合わせは,トラフグの皮を細切りにしたものと,熊本県産 晩白柚(ばんぺいゆ)です.
p.s. このお店の魚料理は,帆立をその時期の旬の魚介と組み合わせていることが多いそうです.
ペアリング3杯目は「Bachelet-Monnot(バシュレ・モノ) Chassagne-Montrachet(シャサーニュ・モンラッシェ) 2018」

シャルドネで作られた白ワインです.
しっかりしたフルボディに程良く果実味があり,酸味や鉄感は控えめで飲み易いです.
肉料理は3種類から選ぶことができます.
この日は,松坂牛のハンバーグ,松坂ポーク ロースのロースト,フランス産 シャラン鴨,でした.
松坂牛のハンバーグ

つなぎを使用していない松坂牛100%のハンバーグです.
切ると中から肉汁が溢れてくるジューシーなハンバーグで,松坂牛の旨味を味わえます.
黒胡椒のソースがかかっており,牛の甘みのあるハンバーグが引き締まります.
横には,ジャンボなめこ,カブが添えられています.
フランス産 シャラン鴨

エトフェ処理されたフランス産 シャラン鴨が,レアに焼き上げられています.
“エトフェ”とは,針を首の後ろに刺して仮死状態にさせ,血を抜かずに屠鳥する方法です(最近では電気ショックでエトフェする方法もあるそうです)
エトフェすることにより、体内に血液がうっ血して肉全体に血液が浸透し,その結果,ジビエ肉の様な力強い肉の味が味わえるようになります.
また,お肉の色合いも赤みが強くなります.
実際この鴨肉も,全くジビエ感のない万人が食べ易いお肉,というよりは,少しジビエ感のあるお肉でした.
とは言っても,決して食べづらい程ではありません.
ジビエが大好きな自分としては,全くジビエ感のないものだと物足りなく感じるので,少しクセのある方が好きです.
そして,今回いただいた“シャラン鴨”は,”ルーアン鴨”と”北京種”の交配により確立された品種で,生産量が少なくフランスでも一部のレストランにしか出ていない希少なものだそうです.
近年はシャラン鴨と呼ばれるものが多く流通していますが,本来の”シャラン鴨(canard challandais)”はフランス ヴァンデ県北部 シャラン地域に広がる湿地帯にのみ生息していた鴨を家禽化した純血種で,バルバリー等のシャラン全域で飼育されている所謂“シャラン産の鴨(canard de challans)”とは全く異なる品種です.
鴨肉の横には,メセロリのピューレ,蓮根のスライス,が添えられています.
蓮根にもほんのりバターの香りがついています.
ペアリング最後の4杯目は「Carlei(カーレイ) Green Vineyards(グリーン・ヴィンヤード) Pinot Noir(ピノ・ノワール) 2013」

オーストラリア ヴィクトリア州で作られたピノ・ノワールです.
デザート

栃木県産 あまおうとあまおうのジュレです.
フキノトウのソルベが添えられており,紫芋のクッキーを砕いたものがかかっています.
初めて食べるフキノトウのソルベは,独特の風味でなんともクセになる味です.
カフェはコーヒー・エスプレッソ・ハーブティーなどから選ぶことができます.
この日のハーブティーは6種のブレンドで,レモングラス・レモンバーム・ミント,などでした(説明してくださいましたが忘れました笑)

それぞれのハーブが喧嘩することなく,上手く合わさっています.
お会計は,『一休』の乾杯グラスシャンパン付きコース 税別5000円+664円(税込6230円)と,ペアリング代 税別7500円(税込8250円)で計14480円でした.
ランチはサービス料はありません(ディナーは別途10%のサービス料がかかります)
ペアリングが税別7500円/だったのはお会計後に初めて知り,少し驚きました.
メニューには「3 glass 税別4500円〜」「5 glass 税別6500円〜」「7 glass 税別8500円〜」と記載されており,もちろん,”〜”となっているのでその日のワインのチョイスによって値段が上下することは了承済みですが,このメニューの書き方にも関わらず「4杯で税別7500円」だと,少し高く感じてしまいます.
飲んでいる途中に追加で注いでいただけて量も程々にあったので,実際にはそんなに高くないのですが,気持ちの問題です.
かと言って,値段をカッチリ決めてしまうとその日毎にベストなワインのチョイスがしにくくなりますし,難しい問題だとは思います.
全体として,”素材は宝石”というお店のコンセプト通りの素材が活かされた料理ですが,シンプル過ぎることはなくしっかりフレンチで,とても気に入りました.
(最近しばしば遭遇する,素材を活かすことに特化したすごいシンプルなフレンチ,があまり好きではないので,個人的にはこういうのが好きです)
この内容のコースで税別5000円はかなりお得だと思います.
またランチも伺いたいですし,ディナーでも伺ってみたいなと思います.
p.s. ちなみに,シルバーは「Cutipol(クチポール)」のものでした.
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